私は宗教心&信仰心が全くありません

マザー・テレサという名前は、聞いた事がないという人はほとんどいないと言えるほど、世界的に有名な偉人です。
まさに「聖母」のごとく、スラム街の人々に寄り添い、世界平和とは何か、貧富の差とは、貧しさとは、救いとは、何であるかということを常に世界に発信し続けた方です。
溢れんばかりの慈愛に満ちた彼女の言動は、世界の多くの人々を救い、穏やかさをもたらしました。
もちろん、批判の声があることも知っています。
そもそも私は、普段「〇〇さんを尊敬する」と言う言い方を好みません。
尊敬するなどと言うくらいならその人の行動を真似て自分のものにすれば良いと思っているからです。
しかし、私には道に倒れて死にそうになっている人を介抱して背中をさすって助けるなどできないと思います。
幸い、そのような場面に遭遇したことはありません。
でも、おそらく救急車を呼ぶくらいしかできないと思います。

「家に帰って、家族を愛してあげてください」

そんなマザー・テレサが、ある日新聞記者に「世界平和のためにできることとは」と聞かれて、返した答えがとても印象に残っています。

「家に帰って、家族を愛してあげてください」

彼女は、そう答えたのです。

世界平和のために、という質問に対して、この答えは正直なところ少々予想外のものだったはずです。
しかしそこにはマザー・テレサの想いがぎっしりと詰まっている、と私はそう感じました。
家族を愛すること、これが世界平和の礎となるのです。
きっと、そうなのです。
その鍵は、やはり「愛」なのでしょう。

家族を愛するより、世界を愛する方が遙かに簡単


日本だけではありませんが、殺人事件はその半分程度が血縁者によるものです。
そもそも家族は他人よりも近い距離にいるため、『なぜわかってくれないのか』と不満を抱きやすい相手です。
まさに「かわいさ余って憎さ百倍」です。
根本にある依存心、甘えが満たされなかったとき、不満が他人相手より増大しやすいのです。
だから、「家に帰って、家族を愛してあげてください」と言ったのでしょう。
私は、そう思いました。

本来子どもは、親からの愛情をたっぷり受けて育ちます。
親は子どもに無償の愛を注ぎます。
そして、夫婦も、互いに愛を伝え合い、かけがえのない大切な存在として、運命共同体として、ひとつの硬い絆で結ばれるのです。
こうして愛をもって育ってきた子どもたちは、家族の垣根を越えて、友人や先生、恋人たちを愛せるようになります。
そしてやがて、伴侶となる人を見つけて、新しい家族を築いていくのです。

起業家が目指すべきこと

「中小企業を元気にする」、「日本を元気にする」こう言った言葉を聴くと、私は心に抵抗を感じます。
ですから自分では使いません。
「匠さん、製造業を元気にしましょう!」と言われれば「ええ、そうですね、ぜひやりましょう」と調子を合わせますが、正直これは心に棘が刺さります。
起業家にも一人っ子で、両親が他界、独身で子どももいないと言った、天涯孤独の方もいるでしょう。
それは例外として、私はまず自分と家族を幸せにすることが起業家の務めと思っています。
また、従業員がいるなら次に従業員を大切にして、顧客を大切にするべきです。
世の中や国の話はその後で十分です。
美辞麗句の影には、むしろ心の闇があると思います。

だから、マザー・テレサは、何よりも家族を愛すること、愛を惜しみなく注ぎ、愛をたっぷりと受けることを、一番に考えなさいと示したのでしょう。
家族を愛することは、家族を守りたいと思う事にもつながります。
家族を愛することは、家族が平和な世の中で安心して暮らすことを望むことにつながります。
家族を愛することは、家族の幸せを願うことにつながります。

身近な一歩から

一歩から

これが、彼女にできる世界平和へのアプローチであり、その姿に世界中の人々が心打たれたのです。
だから、新聞記者の質問に対する彼女の答えは、至極当然な答えなのです。

特別なことを成しえる必要などない。
あなたの家族を大切に、愛し続けること、これがマザー・テレサ流の世界平和への道すじなのです。