―柔軟かつ強靱なキャリア形成―

従来の働き方ではなく、
未来を変えるために<ワークシフト>をしたいと考える人が、
最近とても増えてきたように感じます。

これは、バイアスでそう見えているのではないと思います。

昨年、働き方改革実現会議が発表した「働き方改革実行計画」で、
副業の推進が盛り込まれたことにより、
2018年には勤務時間外での副業・兼業が
認められるような規則に改訂されたことは記憶に新しいですね。

いわゆる「副業元年」となったことで、
サラリーマンが就業後や帰宅後に副業ができるようになり、
働き方を変えるきっかけの一因になっています。

どう始めるか?

企業側も「就業にさしつかえなければOK」という雰囲気が、
ついに醸成されてきたのでしょう。

このような働き方改革の中、
私たちもまた自らの働き方について考える時期にさしかかっているのです。

そこで今回は、
今後の働き方の一つになるであろう「カリヨン・ツリー型キャリア」形成についてお伝えします。

カリヨン・ツリー型キャリアとは?

まずはカリヨン・ツリーとはなんぞや?から。

それは小さな釣鐘がいくつもぶら下がっているツリーのことです。

よくクリスマスシーズンになると、
ショッピングセンターやデパートのホールなどに展示されてあるので見たことがある人も多いでしょう。

リンダ・グラッドンはその著書の中でこう言っています。

“今後主流になるのは、いくつもの小さな釣鐘が連なって職業人生を形づくる
「カリヨン・ツリー型」のキャリアだ。

精力的に仕事に打ち込む期間と、長期休業して学業やボランティア活動に専念したり、
仕事へのペースを落として私生活を優先させたりする期間を交互に経験し、
ジグザグ模様を描きながら仕事のエネルギーや技能を高めていくのである。”

―リンダ・グラッドン著「ワークシフト」第8章より抜粋―

私たちの寿命が延びたことは、すなわちその分職業人生も延びたことを意味します。

ひと昔前の主流であった、学校卒業後に就職し、
20代から50代までの働き盛りとキャリア形成期間を経てその後ゆるやかに(
人によっては急速に)キャリアダウンして退職といった働き方では、
もはや長い老後を暮らせない時代になっているのです。

そもそも、年金制度が確立された時代の日本人の平均寿命は50代。

ところが現在の日本は世界有数の長寿国であり、
長生きする人々を支え続けることに限界が生じ、
もはや年金制度が倒れるか、
または貧しい老後を送る人が増えるのかのどちらかになってきているのです。

そんな暗い未来に、あなたは自分自身をどのように導きますか?

私たちは何のために、どう働くか?

何のために、どう働くか

人生が80年90年と続くことは夢ではなく、もはや「現実」です。

その中で、より心ゆたかに知的好奇心や感動にあふれる人生を送るにはどうすればいいのか?

私はこう思います。

人生は山あり谷あり、紆余曲折しながら、
時に休み、時に何かに没頭し、
また時に職業人として邁進する――仕事、学び、プライベート、趣味、ボランティア、家族との時間等々、
あらゆる要素がまるで釣鐘のように自分というツリーにぶら下がっている。

そして、それぞれが異なる美しい音色を奏で、
より重厚でオリジナティあふれるメロディーを作り上げる。

まさに、人間の一生はカリヨン・ツリーのようなものではないかと。

だからこそ、30~40代までに何らかのキャリアを築き、
その後休職してちがう世界をのぞきに行くことや世界一周することも、
その人の人生の中では必要な要素なのです。

私たち人間は、それぞれが感じる幸せの物差しもちがえば価値観も違います。

それらを無理に片隅に追いやることなく、
自分が何のために生きているのかという目的を失わずにいたいものです。

そして、それを実現できるのがカリヨン・ツリー型キャリア形成ではないかと思います。

カリヨン・ツリー型キャリアのメリット

メリット①複数のキャリアを経験できる。

今後、2つや3つの職業人生をもつ人は
どんどん増えていくことが予想されます。

例えば、

「塾講師→キャリアアドバイザー」
「教師→コンサルタント」
「接客→飲食店経営」

様々な働き方

などのように、業界や職種が似ているものに<シフト>するケースもあるでしょう。

「会社員→WEBデザイナー」
「ITエンジニア→マーケター」
「販売業→広報」

などのように全くの畑違いにもかかわらずうまく<シフト>するケースまでいろいろあるはずです。

キャリアチェンジを人生に組み込みことで、人生・キャリア双方に厚みが出るのです。

メリット②自分のライフスタイルに合わせられる

女性に多いかもしれませんが、
結婚や出産をきっかけに退職して専業主婦になったもののその後再び仕事をする際、
以前とはまったくちがった業界へキャリアチェンジをする人も少なくありません。

前職に戻っても残業続きで育児や家事が十分にできないならば、
仕事のペースを緩めることができる職種(例えば、以前から興味があった分野など)に就きながら、
スローペースで数年過ごす時期はあっていいのです。同様に介護でも考えられます。

実際、人生80年のうちたった数年を家庭に比重を多めに置いたとしても、
その後再び仕事に精力的に取り組める時期はやってくるのです。

メリット③第2、第3の専門分野を育てる時期を肯定的に捉えられる

完全にAからBのようにキャリアを変えるばかりではなく、
会社勤めを継続させながら、
副業としてサブ的な収入を得つつ第2、第3の専門分野を育てていくのも、
自分の強みづくりに有効であり、
また自分の将来のキャリアを形成する大切な要素にもなります。

こうした働き方は収入面も強くなるばかりでなく、
本人がそれをやって「楽しい」ため、
より向上心に燃えることができるほか、
いつかそれが自分のキャリアの中核になる可能性があるからです。

メリット④家庭も学業もボランティアもバケーションも人生の重要なパーツにできる

サラリーマンから脱出

従来では、「社会に出ること=あらゆる責任を負う」といった精神的な負荷があるため、
職業を変えたり退職して新たな勉強を始めたり、
かねがね考えていた海外ボランティア活動に挑戦するなどといったことは大変ハードルが高いことでした。

でもこれからの私たちは、
ある意味サバティカル休暇(長期休暇のことで、
通常の有給休暇や年次休暇とはちがい使途に制限がなく休暇のこと)のようなものを積極的に自らの人生に取り入れ、
より豊かに生きていくべき時代でもあります。

仕事と生活

このような時期があることで人生もゆたかになるだけではなく、
次のキャリアにも役立つ可能性が生まれるでしょう。

そういう意味では生産的な休みといえるのです。

カリヨン・ツリー型キャリアの考え方は、
ライフスタイルの変化やその時に
自分のもっとも興味・関心の強いものにも対応可能とさせるという点では柔軟性があり、
またそれらを継続的に続けていくことで、
より自分の人生が強靭になっていくことを実感できます。

起業仲間

私もまた「会社勤め」「家庭」「副業」「会社設立」以外にも
さまざまな釣鐘を自らのカリヨン・ツリーに飾り、
今よりももっと人生を謳歌したいと考える一人です。