具体性で相手の心にメッセージを残せ!:【アイデアのちから】

具体的な文章?

SUCCESs(サクセス)の法則に基づく「伝わる文章」づくりですが、
今回のテーマは3つ目の「具体性(Concrete)」についてです。

まずは懐かしいお話を一つ。

“あるところにキツネがいました。

キツネ

キツネは旅をしていました。

食べ物も飲み物もない中、
数日歩いているところにぶどう畑を見つけました。

お腹も空いてのどもカラカラだったキツネは、
大喜びでぶどう畑に近づきました、
ところがぶどうの樹が高くて、
とても手が届きません。

背伸びをしてもジャンプをしても、
どうやってもぶどうには届きません。

恨めしそうに見つめるキツネは、
しまいにはこう言いました。

「フン!どうせ、あのぶどうは酸っぱくてまずいにきまってるさ!」

酸っぱいブドウ

そう言うと、キツネはぶどう畑から去っていきました。”

このお話は、かの有名なイソップ童話の一つ、
「キツネとぶどう」です。

いわゆる失敗しても負け惜しみを言わない戒めとして長く親しまれているお話で、
ご存知の人も多いでしょう。

私も我が子にイソップ童話を読み聞かせたことがあります。

イソップ童話を読むと、嘘をつくことの代償、友を大事にする重要性、
策士、策に溺れる、類は友を呼ぶ等々、人生の教訓について深く考えさせられますよね。

ホント、人生ではイソップ童話で起きるようなことがたくさん溢れている!

イソップ童話のすごさ ―記号化―

「キツネとぶどう」の教訓ですが、もしもこんな書き方だったらどうでしょう?

“人は、たとえ敗れても決して負け惜しみを言ってはならない。”

だから、素直に負けを認めよう。

へりくつを言う

上の一文(というよりは標語)は、
おそらく誰もが「たしかにその通り」だと思う。

が、標語って、正直読み手にとってはつまんないんですよね。

昔よく学校の廊下に「危険!学校内は走りません」
などといったポスターが貼られていましたが、
あれを見て「ハッ! いけない。ボクったら」
と思って走るのをやめる素直な男子の数は現実的には少ないはずです。

なぜか?

この手の標語は、意味はわかるけれど腹まで落ちにくい。

つまり共感や納得まではしにくいものだからです。

紀元前6世紀に生きたイソップは、
動物や虫などを“記号”として登場させ、
世の中の道理や教訓を誰にでもわかりやすく書いた。

だからこそ、この童話は現代まで残ったのです。

抽象的なものを具体的に伝える。

これは「伝わる文章づくり」にも当てはまります。

それでは、今回はSUCCESs(サクセス)の法則の
3つ目「具体性(Concrete)」について見ていきましょう。

具体性(Concrete)とは

具体性とは、直接に知覚できる具体的な形・内容をもっていることを指します。

ここで、具体性のメリットを一度整理しておきましょう。

<メリット>

  • 抽象的な内容よりも相手に伝わりやすい。
  • アイデアの理解や記憶がしやすくなる。
  • 抽象的だと人によって全く違う解釈をする場合もあるが、こうした問題を避けられる。

特にライティングで重要なのは1つ目と2つ目。

「より伝わる」ことと「記憶される」こと、
これらを軽視していくらブログ記事を書いても、
誰かが読み終えて5分経った頃には忘れられてしまうでしょう。

アイデア

「具体性」の具体例を考える

それでは、さっそく考えましょう。

(Q1)

①私は近い将来、日本一のセールスマンになる。

②私は2019年には月商150万のセールスマンを目指す。

(Q2)

①お鍋のタレにとろみが出るまで十分煮詰めたら、完成です。

②お鍋にタレの調味料を入れた後、15分弱火で煮詰めます。アメ色になったら出来上がりです。

①と②のうち、どちらの文がより具体性があるかは一目瞭然ですよね?

もちろん、どちらとも②です。

(Q1)の①は何が抽象的なのかというと、
「近い将来」「日本一」と漠然としています。

また(Q2)の①は、
「とろみが出るまで」「「十分煮詰めたら」と言うものの、
これを料理初心者が読んだとしたらどうでしょう?

「えっ?とろみってどれくらい煮てれば出るもんなの?」
「十分って何分くらい?」と困惑するはずです。

要はその「感覚」がわからない人にとって、
抽象的な伝え方はイメージしにくい=理解されにくいのです。

一方、(Q1)(Q2)の②は共に具体的なので、
読んでいてもイメージがしやすくなっています。

具体性とは、言い換えれば「賢明な回答」。

あなたも文章を書く時は、
内容が漠然としていないかチェックしてみてください。

相手の理解と記憶を促すには

ここまで読んでいただいた人も、そして私自身も気をつけないといけないのが、
我々人間は、「それでも気づけば抽象的な話をしてしまいがち」だということ。

中には、職業病的に日頃から抽象的な思考な人もいます。

ついつい自分の分野の話になると熱くなり、
知識が全面に出てきて専門用語たっぷりに話し始める。

抽象的で分らない

別にそれを聞く相手が理解できれば問題ないので、
これ自体悪いことではありません。

ただ、この広い社会(もっと限定すれば現在勤める会社)にはあらゆる人がいます。

彼らといかにコミュニケーションし、自分の考えを伝え、
共同作業を成功させていくかを考えた時、
日頃から抽象的な思考をする専門家タイプの人は、
何かを話す・書く時は注意が必要です。

相手に伝わるには、周囲との「共通言語」を用いましょう。

要は、「相手にわかるように言え」ってことです。

例えば、医師がある患者を診察したとします。

その患者に対し、医師が医学用語をふんだんに使った説明をしたとしたら、
患者はすべてを理解できません(自分のことなのに)。

医師たるもの、患者に対して負うインフォームド・コンセント(説明と同意)は、
まずは患者がわかるように説明することが基本です。

だから、これを読んでくれているあなたも忘れないでください。

“自分の書いた文章は、具体的か。”
“自分の書いた文章が読者に本当に伝わっているか。”

いかがでしたか?

文章を書くときは、読み手、
聞き手の理解と記憶を促す「相手目線」のことばで具体的な内容で伝えることを意識しましょう。

相手の目線が大事